福祉の街 社長ブログ

【社長ブログ】訪問入浴の素晴らしさをもっと~大東文化大早坂先生とお話しして~

1月も末になると日も長くなり、陽射しも幾分明るく感じます。寒さの中にも、春を感じさせる今日この頃です。

 

今月上旬、大東文化大学早坂信先生スポーツ・健康科学部 健康科学科 准教授)とお会いし、弊社創業来のサービスである訪問入浴介護(以下「訪問入浴」)を中心に意見交換させていただきました。早坂先生は在宅医療にも取り組んでおられる内科医ですが、この10年は「安全な訪問入浴介護」「入浴習慣がもたらす心身への影響」等入浴に関する研究にも力を注いでこられました。本当に貴重な機会有難うございました。そのようなこともあり、今回は「訪問入浴」について述べたいと思います。

 

訪問入浴は、看護師を含むスタッフが、給湯設備のある専用車両で、高齢者の自宅を訪問、簡易浴槽を搬入・設置して入浴を行うサービスです。(詳しくはこちら)しかし訪問入浴は、介護保険の中では給付額が1ケ月51億円で全体7,210億円の0.7%程度(平成25年11月実績)であり、また一般の方にはどのようなサービスか知られていません。そんな訪問入浴ですが、私は以下の3点に発展の可能性をまだまだ感じています。

 

(機能的な面から) 

入浴は元来身体を清潔にし、かつ温熱効果により身体機能の維持や回復が期待できますが、さらに気分がリラックスして自然に笑顔が出てきたり、普段あまり話をされない方も話をされたりする効用があります。私はこのことを、「訪問入浴には潜在化されているお客様の能力やニーズを顕在化させる機能=力がある」と言っています。気の利いたケアマネジャーは、入浴の際にお客様がどのようなことを話されていたのか、どのような様子であったのかを訊きにくることも多いらしく、そのあたりはとても大事なポイントと思います。訪問入浴はとてもポジティブなサービスです。私はここに一つ今後の可能性を感じます。

 

(医療的な面から) 

二つ目は、医療的な面です。介護保険の訪問入浴利用者(平成25年11月全国実績)をみますと、要介護4・5利用者は全体の約8割を占め、介護度平均が4.2と、訪問介護の平均は2.4に比べて格段に高くなっています。

「看取りを在宅で」という流れの中でターミナルの方や、長期間療養が必要な難病(筋委縮性側索硬化症やパーキンソン病等)の方等も増えており、お客様の中には、人工呼吸器を着けた方やIVH(中心静脈栄養法)を行っている方が多くおられます。この傾向は今後まだまだ続くと思います。

またスタッフの一人である看護師は、体調のチェックだけでなく、体調の急変にも細心の注意を払い、必要に応じケアマネジャーや主治医に連携・報告を行っています。現在、訪問入浴の看護師の行えることは限定されていますが、その存在や役割は大きいと言えます。

勿論看護師一人で訪問入浴を行うことができるわけではなく、ケアエイド、オペレーターと3名が1組になって行う、訪問系サービスでは唯一チームワークで成り立っている心強いサービスでもあります。

 

 (提供形態の面から) 

三つ目は・・・当社をはじめ民間介護事業者は、3年前の東日本震災において、震災被害を受けた東北の事業者とともに、現地の震災状況を踏まえながら柔軟迅速な支援を行いました。具体的には、被害が甚大であった石巻市や女川町を中心に、住民避難所となっている体育館や福祉施設に入浴車を付け、入浴支援を行いました。入浴支援では、対象者は高齢者に限られません。

私が注目するのは、訪問入浴のもつ機動性です。普段(=平時)、入浴はデイサービスや施設でも受けられます。しかし災害時においては訪問入浴がとても機動的にしかも柔軟に役割を果たした、とても重要なサービスです。

考えてみると、災害時に限らず、平時でも訪問入浴車を団地の集会所に付けるなどして、効率的に入浴を提供できるわけですし、そのことによって大きな設備投資を行わなくてもすみます。現在、介護保険ではそのような提供形態は想定されてはいませんが、そのようなことまで考えると、「訪問入浴は様々な活用の可能性をもっているサービス」と思うのは私だけでしょうか。 

(東日本震災時:仮設テント内での訪問入浴)

(可視化と科学化が課題)

 しかし、このことを世の中に理解していただくのは大変です。何せケアマネージャー等の専門職にもまだ良く知られていないのですから。最近は入浴剤やシーツ交換など付加サービスを行ってPRをしています。しかし大事なことは、「入浴のもつ本質的な機能の可視化と科学化である」と、早坂先生とお話しして確信しました。それは一朝一夕ではできませんが、まずはセミナーやホームページ等各種媒体を通じて、訪問入浴の素晴らしさをもっと知っていただくことから始めていきたいと思っています。そんな思いをもって早坂先生にお会いしました。

 みなさん、今冬、ぜひ訪問入浴をご利用ください!

平尾 雅司